プログラマー兼主婦の雑記

シングルマザーになりました。

初めて部下を持ったときに役に立った本 (3/4)

まえおき

このシリーズでは、以下の4冊の読書感想を載せています。

  1. はじめて部下ができたときに読む本 (ブログ
  2. 自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書 (ブログ
  3. コーチングの技術 上司と部下の人間学 (講談社現代新書) (ブログ) ←いまここ
  4. ザ・コーチ (ブログ

コーチングの技術 上司と部下の人間学

「上司」と呼ばれる人たちにコーチングの仕方を教えている方の著作です。部下のコーチングだけでなく、自分自身のコーチングにも役に立ちました。

以下、私が要点と思った点を引用します。

自分が話すより相手の話を聞く

上司役自身も、「よく聞きなさい」と言われるより、「(黙って)視線を合わせる」とか「相づちを打つ」と言われた方が行動がハッキリし、簡単にできそうな気がすると言います

特に、「仕事がうまくいかず、モチベーションが低下している部下の話を聞く」と言われると、上司と呼ばれる人のほとんどは、自動的に「自分が何とかしてやらねば」と思ってしまいます。責任感と愛情がもくもくと湧いてくるからです。そのため、余計な力が入り、気がつくと「自分がしゃべっている」

「部下には能力がある」という前提に立つ

相手をまず「能力を有する存在であると捉える」

部下の行動を待てずに口を出してしまう、代わりにやってしまう上司は多いようです

時代の変化と共に、私たちの価値観も変わります。「おれについてこい」は大松監督の言葉でしたが、その時代の人たちは、そして選手たちは、そう言って強力に引っ張ってくれるリーダー的コーチを求めました。  しかし時代は変わりました。今、求められるのは、トレーニングのプロセスで自分の力を引き出してくれる、自分らしいプレーを引き出してくれるコーチです

生まれつき無口な人などいない、と私は思っています。彼らには無口になる環境があっただけです。喋らなくてもよい環境や、喋らない方がよい環境の中で生きてきたのです

会社の目標と個人の目標のすり合わせ

コーチングを導入すれば社員のモチベーションや成果が高まります。そうなると、逆に社員が会社の存在意義を問うようになります。つまり、会社のビジョンと自分の進む方向が同一のものであるかを見定めようとします。方向性が同じであれば、自分が働く価値のある会社と判断します。そのとき、仕事は自己実現の場となるのです

理由は、先ほども述べたとおりです。社員が本当にやりたいことを見つけてしまうと、その願望を実現させるために会社を辞めてしまうのではないかと恐れているからです。  しかし、よく話を聞いてみると、その不安は、社員が個人的なビジョンのために会社を辞めてしまうからではなく、自分のビジョンが社員の心を捉えられないかもしれない、という自信のなさから発生していることが分かりました。そのことに気づいたC氏は、不安を解消するために、行動を起こしました。行動とは、ただビジョンを持つだけでなく、そのビジョンを具体的な方向性や戦略に落とし込み、部下が魅力的だと感じるような伝え方を心がけたのです。  もし、組織や経営者が、人の心を動かすことのできるビジョンを持っていれば、社員一人ひとりがビジョンを持つことに、怖れを感じる必要はありません。組織のビジョンと個人のビジョンの接点はどこかを、部下とじっくりと話し合えばいいからです

私たちは、幼い子どもに、「新聞を取っていらっしゃい」と仕事をさせることがあります。もしそこで、親が「ありがとう。お陰でお父さんは起きてすぐに新聞が読める」と子どもの仕事を位置づけると、それはただの仕事ではなく、使命を帯びた〝役割〟となります

「言ったことはきちんとやるが、それ以上にはやろうとしない」という、管理職からよく聞く部下への愚痴は、指示を出していても、役割を明確にしていない結果の表われではないかと思われます

報告・連絡・相談が上手くいかない、というのはその一つの症状です。部下は、報・連・相をしたくないと思っているわけではありません。役割が明確でないために、自分が報告する主役であるという自覚が持てないでいるのです

会話術

〔質問ポイント7〕 仮定の話で相手の制限を突破する 「もし君が人事権を持っていたら、このプロジェクトでは誰と一緒に仕事がしたい?

〔質問ポイント9〕 相手が省略している言葉を訊ねる 対象者「どうもその辺がハッキリしないんですよね」 コーチ「ハッキリしない、というのは誰にとってハッキリしないのですか?

そのときは相手の沈黙が何を意味しているのかを考えます。 ①質問の意味が分からず答えられない ②質問の答えを探している ③見つかった答えを、どう言えば伝わるかを考えている ④答えは分かっているが、何らかの理由でそれを口にしたくない

私たちが待てない理由の一つに、「人間の話す速さは、聞く速さよりはるかに遅い」ということがあります

相手がこちらの望む行動をしたときに、それを強化することで、行動を習慣化することが可能です。これを「強化の原理」と言います

飢えている人がいたらあなたは魚を釣ってやりますか、それとも魚の釣り方を教えますか

まず、興味を持って相手を観察します。それができたら、次に、気づいたことをなるべくこまめに伝えてみましょう。私はあなたに興味を持っています、という意思表示をするのです

コーチン

コーチングを通じて誰かの人生に違いを作りたいと感じたなら、まずあなたがコーチとしての資質を自分の中に見つけてください。すでにかかわっている相手と、新たな関係を構築してください。  そして、その資質が完全に発揮できる日を待たないことです。待っていては何も始まりません。今すぐ始められる何かを始めてみましょう。あなたが成長しているとき、周りもあなたと一緒に成長します。  人の成長をサポートするプロセスはそのまま、自分を一回り大きな人間へと成長させるそのプロセスに他ならないのです

今後の教訓

  • コーチングについての情報にアンテナを張る

子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫)』など育児関連のコーチングは読んできましたが、ビジネス系のコーチングは今回初めて読みました。それでもどこかで読んだような話が多かったのは、コーチングの考え方が普及しているからなのでしょうか。もう少しコーチングについて知りたくなってきました。